2009年3月2日月曜日

第四回質的研究集中ワークショップの感想集

第四回質的研究集中ワークショップ終了後,受講生の皆様のアンケートに書いていただいた「感想」を掲載いたします。(*お送りいただいた中で掲載可のものを掲載しております)。 アンケートのご協力いただいた皆様,誠にありがとうございました。


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 私自身は質的研究の初心者でしたが、とても解りやすく学べたと感じています。質的研究の本は沢山読んだり、大学院の授業でも学びましたが、具体的な方法やどのように進めていくのかがとても曖昧でした。その上、質的研究の大変さばかりが強調され、手が出せない状況でした。

 しかし、今回は同じグループワークの中で、とっても素敵なメンバーに恵まれ励まされたり、刺激をもらったり、本当に実践で学べたことは大きな収穫になりました。他のメンバーの解釈を聴き、同じデータに対してこんなにも深く解釈できるのか!と驚かされ、もっと学びたいという気持ちが強くなりました。 また、西條先生の的確なアドバイスに何度も行き詰まりを解消するヒントをもらいました。

 今回参加して一番感じたことは、「とりあえずの鉄則」です。実際にやってみること、それも自分一人でなく仲間と取り組めたことで、投げ出さず、良いところを出し合って満足のいくものになったと思います。本当に参加できてよかったです。ありがとうございました。

[ 大学院生  ]・関心専門領域[母性看護学    ]


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西條先生、とても有意義な4日間でした。ありがとうございました。修士論文を、質的(今考えると、とてもそのようなものではありませんでした。)研究で書きましたが常にこれで良いのだろうか?と疑問を持っておりました。疑問を持ちながら、方策が見つからないままでした。今回、参加させていただき、解り易く講義していただき、理解することができました。そして質的研究をすることへの勇気が出ました。
私は、グループインタビューの良さを実感しております。このワークシュップを契機にグループインタビューから得たデータを生かし、論じられるよう更なる学びをしたいと考えます。

一つ、自分の反省を言えば、事前に提示された「ライブ講義 質的研究とは何か」熟読しておけば良かったなと思います。理解を深めておけば、より深い研究への気づきがあったろう、と考えます。次回西條先生の講義を受けさせていただけるのなら、事前の指導を守って参加したいと思います。西條先生、ありがとうございました。

[通級指導教室教員]・関心専門領域[いのちの教育]

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まず,質的研究法を学びたいという点から,とても充実していたと思います.雰囲気も堅苦しくなくかつゆる過ぎることもなくなじめました.形式と内容は,西條先生自身がワークショップそのものを関心相関的に,そしておそらくスパイラルモデルとして検討した結果のものだと思いますが,よくできていたと思います.さらに進化しうるとしたら,今回の内容であれば,4日半あればなと思いました.あるいは5日あればもっと余裕があったのではないでしょうか.

何気ない先生の話が,実はその日の作業の内容の留意点だったり,質的研究法のことだったりしたのは,かなり感心しました.さらに欲を言うなら,何だろう(これは先生の口癖です),もっと先生の話を聞ける時間も欲しかったなと思います.以前,早稲田で開かれた,養老先生の講演,西條先生と池田先生と竹田先生による(鼎談だったと思うのですが)ディスカッションで話されていたような内容も聞きたかったです.

私は,ここ何年か調査を続けてきて,質的研究法を持たずに質的研究を行っていたことに気づき,うつ気分になったり,放り出したりたくなったりしていました.そんな時,私が好きな哲学者竹田青嗣の話を聞ける,構造主義科学論の池田清彦の話も聞けると思って出かけた私を待っていたのは,西條剛央でした.どうも何か面白そう.構造構成主義は,対立点を越えていく現象学も基盤にしていると知らされ,西條先生の本を読み始めました.

読みながらなるほどと思ったり,原理を厳密に説明されている所では眠くなったりしながら,さらにこれはどうもメタ理論というものだと説明しているのだと理解し始めました.
しかし,道具として,方法としてどうすればいいんだろうと思い,いくつかの質的研究法の本を読んだり,質的心理学研究を読んだりしていました.やっぱりKJ法でやるか,一気にモデルを作ってしまうか,我流しかないかも…,こんな時に手にした本,ライブ講義版は,2冊とも職場への行き帰りの電車の中で読みました.よっぽど,私が探していた本だったのです.そして,今回のワークショップ,参加されたみなさんの中にも,私と同じような人が何人もいたはずです.

 本の中にある言葉は「研究は人が幸せになるためにある」だったでしょうか,「する」だったでしょうか,いずれにしても,自分の研究がその一端を担えればなと,自分の研究もなかなかまだまだ捨てたもんじゃないと思えたワークショップでした.

[大学院生&心理士]・関心専門領域[小児精神腫瘍学]

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昨日まで関心すらなかったことに突然関心を持ち、ひたすら考え抜く4日間でした。振り返ると突然の体験は偶然ではなく、過去からの必然によって生じており、しかも今日にも明日にもつながっていた、という体験でもありました。

特に印象深いこと
○沢山の概念が出た後、それを伏せて紙にストーリーラインを書いた時に出てきた飛躍について、改めて概念やデータそのものにそれが基づくものかどうか点検した際、それまで何度も見ていた概念やデータからそれが見え、飛躍だと思ったものがしっかりデータに根付いていることに気が付いた時にとても感動した。データはその時々の関心によって色々変化して見えるものだということが分かった。

特に学べてよかったこと
○理論が概念形成、カテゴリー形成の間を行き来しながら構築されていくのであろうという思考過程を体験できたこと。作ってもそれにとらわれず、次に生じた考えと比較思考し洗練するという体験ができたこと。

○5つのモデル図の形成過程:今までモデルだけを見て納得できないと思うことがあったが、他のグループのものも含めて、形成過程を知ることで、モデル図の読み取り方をつかむことができたこと。

○RQの奥にはそれを問う人の深い関心の存在があり、RQを立てた後もその関心に照らし合わせてそれを微調整することを体験できたこと。今回自分がその場で生じた思いつきが採用され、十分言語化できないままスタートすることになってしまったが、WSの間の1週間にも、終了後の1週間にも、この思いつきと関連する記憶の積み重ねに気づくことがあり、関心の塊が少しずつ削がれていく感じを体験できた。

○繰り返しデータを見直すことになるので、データの読み込みがだんだん深まっていくという体験ができたこと。

○古くから教育には知らない人にわかりやすく教えようとする方向と、知っている人達が維持、或いは高めるための伝達のような方向があったようだが、いずれにしても対象あってのことで、次世代への継承という目的に照らし、最も伝わる方法を選択する方が有利である。そこで伝達内容と対象の理解・査定がそれに見合った方法を選択させ、結果を左右するという見通しに気づいたこと。

[養護教諭・大学院生]・関心専門領域[養護教育]


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何よりも日頃の仕事で拘縮に陥った思考をリフレッシュできた。西條先生はテキストを読んだ時は、すこし濃いめのキャラの方かと勝手にイメージしていたが、実際はかなり違う印象で、だんだんと面白さがにじみ出る感じだったが、却って講義の内容がゆっくり受け止められる感じでよかった。途中の燃えよペン等の話もよい息抜きとなった。

こうしたワークショップの楽しみの一つである全く知らない異業種の方々との新しい出会いは、実り多いものだったと思う。特に現役修士の方々の意表をつく発想や、真摯な取り組みには、大いに刺激された。また、私のグループには臨床心理士養成に当たられている先生が多く、同じような実学領域に従事するものとして様々な意見交換が行えた点も有意義だったと思う。

今回問いを立てるところから研究発表まで、かなり集中したとはいえ、4日間でこなしてしまえたのは、ひとえにメンバーの有能さと協力関係をうまく築くことができた点にあるだうと思う。最初にここのところのコツを丁寧に押さえてくださったのも効果的だったかもしれない。

質的研究は本当に体験してみないと分からないと思う。今回特になるほどと思ったのは、概念からいきなり理論の当たりを付けてみる、という手順だった。また、知見から逆に目的を見直すのもあり、等の点である。小さな迷いが生じたときに、常に本質に立ち返る思考の枠組みの持ち方や、付箋やマーカーなどの小道具の活用、構造のタイプ(時間軸の有無など)を体験の迷いのなかで、実際に示していただいたのも役立った。

さらに、質的研究は方法論が重要とはいえ、それにとらわれすぎず、常に意味ある知見を引きだそうとする姿勢がもっとも学びになった点だった。

現在私が取り組んでいる研究は、今回のように概念を取り出して理論を構築し、仮説生成をする方法ではないが、テクストを扱う研究全般に通じる考え方を学べたと思う。
もう一つはインタビュイーとしての経験も貴重かつ楽しいものだった。自分のインタビューがどのように料理されたのか、時間の都合で発表や講評が聞けなかったのは残念だったが、音声データもいただき、資料とつきあわせてお聞きしようと思う(まだ十分聞けていないので)。

有意義な(それも飲み会付きで!)4日間を過ごさせていただき、心より感謝したいと思います。

[准教授]・関心専門領域[看護学]


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ワークショップに参加するのが初めてでどんな雰囲気で分からず不安だったのですが,全体が和気あいあいとしていたので安心しました。

参加者の数が1グループ8人でしたので,全員が意見を出し合おうとすると時間がそれだけで掛かってしまいましたし,たくさんの意見を汲み取りながら話を進めていくのが難しかったです。個人的な感想では6人くらいがちょうど良いのかと思いました。グループの構成について,男女比や年齢のバランスなどがあると思いますが,1班は自分の立場からすると決してやりやすいグループではなかったと思います。

特に学べてよかったと思ったことは“ある程度”の概念を作ったら理論図に“飛ぶ”ということです。自分はテキストから分析ワークシート,カテゴリー,そして理論図というように,1から順番に一つずつきっちり固く作っていくものだと思っていたので,もっと柔らかく拡散的思考で考えた方が多種多様な解釈が出来るということをグループワークを通して学べたのが良かったです。

 3日目,4日目の後の飲み会で西條先生を初め,様々な領域の方々とお話が出来たのが楽しかったです。質的研究の仕方だけでなく,他領域の方々の関心事や研究テーマ,その領域特有の考え方や裏話が聞けたのも大変為になりました。

[大学院生]・関心専門領域[臨床心理]


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自分自身を信頼できてこそ研究者なのだなと、西條先生の講義を受講する中で改めて感じました。今後を楽しみにしています。
研究で行き詰ったときの駆け込み寺を発見したような気持です。その節はよろしくお願いいたします。4日間ありがとうございました。

[ 学生 ]・関心専門領域[看護・福祉・心理]


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・ RQを、今まで何となく立てていたが、そこからどのような研究法を選択しどのような成果を生みたいのかを考えると「自分は何を知りたいのか」と結局自分自身の関心を突き詰めることとなった。普段、案外自分の関心や興味というのは大ざっぱにとらえていてきっちり焦点を合わせていないのだと気づいた。そのために、研究途中でテーマが揺らいだり、研究法に迷いが出たり、研究法について他者から指摘されたときに落ち込んだりしていたのだろう。今回のセミナーで「自分の関心」にとことん焦点を当て、それに沿った研究を進めて形にする手順を学べたことは、今後研究を楽しみながらすることができる、大きな安心を得られたように感じる。

・ 講義中、研究の裏話含め先生の率直なお話がとても嬉しかった。教科書通りに研究を進めようとすると、前に進めない状態だったので、「とりあえずGo」と、進んでいいのだとわかった。

・ グループのメンバーもそれぞれ質的研究で不安をもっていた人だったので、自分だけではないのだと勇気づけられた。

[ 臨床心理士 ]・関心専門領域[ コミュニティ心理学 ]


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研究の始まりから、終りまで経験できたことはとても大きかったです。質的研究の本を読んでも、実際には一通り経験しないとイマイチよくわからないのではないかと感じていたところだったので、全体の流れをつかむことができて、非常に勉強になりました。
本には抽象的な表現で記載されていることでも、実際はどのようなことを言っているのか身体で理解することができました。

グループの中には既に実績のある先生もいらっしゃいましたが、初学者の私たちのペースにも合わせていただき、いろいろ教えていただくこともできました。良い雰囲気のなかで作業ができ、時間がたつのも忘れるくらい充実して、楽しい時間を過ごすことができました。

グループの人達とは、初めて会ったと思えないほどうちとけることができました。
RQの立て方。そして常にRQに立ち返りながら概念、カテゴリーを作っていくということがどのようなことなのか理解することができました。また具体的な作業方法としてポストイットを使用しながら視覚的にとらえ、身体的に考えていくということが非常に重要であることがわかりました。
先生のグループへのアドバイスのやり方もつかず離れずという感じで、とてもよかったです。一方的に話を受け身で聴くのではなく、あくまで自分たちで考え、体得していくということが非常に大事であると思いました。

[大学院修士課程]・関心専門領域[ソーシャルワーク・社会福祉]


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質的研究の基本的なことを学びつつ、RQを立てるところからプレゼンテーションまで一通り体験するということで、盛りだくさんではあったが、ギチギチの詰め込みという感じがなかったのがよかった。

グループのメンバーもとてもよく、色々な専門分野の方々とご一緒できたので、有意義で楽しい四日間だった。 一番印象深かったのは、直接の内容というわけではないが、インタビューである。練習のためのメンバーへのプレインタビューも含め、それぞれから興味深い話を聞くことができた。本来の目的とは外れるが、時間があればもっと色々な話を聞きたかった。またインタビューをすることの難しさも実感した。RQから外れるような答えが冒頭から出てきてしまったため、その後どのように話を展開させたらいいかを即座に判断しなければならず、非常に困った。しかし、一方で、興味深い話を引き出していくおもしろさを味わうこともできた。

内容については、どのようなRQを立てるかで、研究の方向性(質的か量的かも含め)が変わってくるということが、改めてわかった。逆に、データによってRQも変わる可能性があるということも実感できた(実際RQが変わってしまったで)。当たり前のことだが、どのようなRQを立てるかは、十分吟味する必要があると思った。

[ 大学非常勤講師 ]・関心専門領域[ 日本語教育 ]


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このような「研究法を実体験する」ことは、現場(?)にでてしまうとなかなか経験できないことですので、とても有意義でした。久し振りにいろいろなしがらみを離れ、純粋に「勉強した~」と脳が言っておりました。
 しかも、普段なかなか交流のない異領域の方々や若い院生の方々と意見を交わすことができ、それも非常に刺激になりました。自分がその領域にいる時は気付かなかった独特の雰囲気のようなものがやはりあるのだなぁと。

 自分のことで言いますと、とても「理解した」という所に到達できませんでした。一つの研究法を自分のものにすることは、今の自分の能力では一朝一夕にできることではありませんので、これから繰り返し取り組むことにより、研鑽を積んでいかなければならないと思います。
そういう意味で「体験」ができた今回の形態は本を「読む」だけではわからなかった「臨機応変さ」というか「流れ」のようなものを感じることができました。質問項目をたてることが非常に大切なことも改めてわかり、再度、インタビューのやり直しをせねば・・・・ということがわかったことも今回の収穫といえます。トホホ。

前回受講された皆様も書いておられましたが、時間的にはとてもきつかったです。特にもう若くはない私にとっては夕方になるとほとんど思考停止の状態でした。でも、その時はしんどかったですが、今となっては楽しい時間でした。

先生も言っておられるように、たくさんの異なった視点で意見交換することは精神的にきついこともありますが、とても大切なことだと思います。「同志」が作りにくい環境にいる自分はこれからどうしようかなぁとそれも一つ困ったことです。

そんな自分にとってこういう講習会はとても貴重な場となりえますので、これからもがんばっていきたいと考えています。西條先生、そして同じ班の皆様、本当にありがとうございました。

[短大教員]・関心専門領域[保育]


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 全体に和やかな雰囲気で楽しく、なおかつ集中して学ぶことができました。 非常に充実した時間で参加させて頂いて良かったと思います。

[ 専任講師 ]・関心専門領域[ 心理学・保育 ]


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今まで、学位論文等で質的研究に取り組んできましたが自己流のため、今回学び直しのために参加した。西條先生のSCRQMに出会って、指導教官が目的に合わせて方法を考えると言ってきたことが理論付けられていて、とても納得した。今まで専門分野の作法を気にして質的研究は孤独で苦しいものであったが、これからは肩の力を抜いて楽しく分析できそうな気がした。

 1人で参加したが、すぐに皆と打ち解けることができた。これは、同じもの(SCRQM)に関心を持って集まった仲間だからだと思う。 ワークショップの進め方は、講義とワークが適宜交互に行われることにより(進行に合わせて流動的に)、知識と実践の繰り返しができたので、身につきやすかった。

 平日仕事をしながらの土日を2週使っての集中講義は体力的には正直辛かったが、毎朝わくわくした気持ちで早稲田に通うことができた。4日間で目に見える形(PPTでの発表)までこぎつけることができたので、達成感が高かった。 グループ分けは、あえて適当にすることにより(習熟度や専門でわけることはしない)、皆で教えあうことができ、良かったと思う。

[看護系大学・助教]・関心専門領域[看護学]


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ワークショップということで、どういう展開になるのかなと思いながら参加しました。もともと研究等のことを知らない私がどれだけ学べるかということも心配でした。しかし、質的研究の概略を「グループ」で体験することで、より理解が促されたと思います。

私の現在の職業に関して学べて良かった点は2つあります。

1つは、様々な事業をその事業の背景や目的をもって取り組んできたつもりですが、それをまとめて報告するだけでなく、意義のあるものとして報告したい場合の方法論として、RQの出し方も含めた今回のワークショップの一連の流れが役に立つかもしれないと思ったことです。
経費削減、費用対効果が求められ、様々な事業の継続が危ぶまれる中で、住民のための事業の必要性を、様々な立場の方に知ってもらうためのツールになれるかなと思いました。

2つめは、現象・経験・データを仮説と結びつけるその間を埋める作業の重要性です。普段は意識せずに行っていた作業でしたが、その大切さを改めて思いました。私の職業に関していうと、支援対象者を理解するための重要な部分と置き換えて感じました。当たり前のことなのですが、その気付きがありました。

その間を埋めるためにこのワークショップを含め、知識や経験、感性を磨く努力の必要性も感じました。どうもありがとうございました。

[行政]・関心専門領域[地域保健]


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4日間、本当にありがとうございました。始めての事ばかりで、スピードも速くついていくのにとても体力が奪われましたが、充実感の高いワークショップでした。4日間の短い間にいっきに発表まで持っていくのはとても大変でしたが、西條先生が所々で軌道修正をして下さったので何とか形を作る事ができました。
正直、私は本を読んだだけでは全然理解ができておらず、初日のお昼直後の先生のお話は理解できるまでに少し時間がかかりました。一番印象深かった事は発表をさせていただいた事でした。これも始めての体験でしたが、自分が理解している事を人に判ってもらえるように説明する事の難しさを実感しました。これは、論文の文章力にも繋がるものになると思いますが、人に理解して納得してもらわなければ研究としてなりたたないと言う西條先生の言葉がとても身に沁みました。
RQの立て方は、本当に難しく私の目下の課題はここにあると思います。自分が何を知りたいと思い、明らかにしたいと思っているのかを明確にして関心相関で掘り下げていく方法とそれにまつわる自身への問いかけの姿勢を西條先生から学ぶ事が出来ました。
どうもありがとうございました。

[臨床心理学専攻 修士1年]・関心専門領域[がん患者家族の心理]


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・具体的に質的研究の一方法として、RQから分析、プレゼンまでの過程を実践できたので、今後の自身の研究に大変役立つ。
・グループで行ったので分からないところをカバーしていただき、また、他の方の意見を聴くことができ参考になった。
・一方的な講義ではなく、研究のプロセスを実践でき、個別かつ的確な指導を受けられるので、質的研究に対する思考過程が理解できる。
・他分野の方との交流が持てる場となった。

[大学院生]・関心専門領域[医療・母性学]


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・全く異なる分野に従事している参加者ではありましたが、互いに協力でき、作業を進めていくことができました。しかしグループの中では若手であったため、仕事を押し付けられそうになったことは何度かあったので、今回同様ワークショップ開始時に年齢や職種などを理由に仕事の押し付けがないようにといった講師からの注意は次回も絶対に必要だと思われます。
・事前にテキストを読み込んでくる作業、講師からの説明、実際にグループでの作業という流れがあったことや、グループで仕事を進めていく際の自由度が高く、試行錯誤しながら取り組むことができたことはとてもよかったと思います。
・協働学習(特に異業種の人々との協働作業)が難しかったように思われるが、久しぶりに学習者の立場で体験できてよかったと思います

[大学助手]・関心専門領域[教育]


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・4日間の長丁場は時に煮詰まりそうになりましたが、合い間に先生の静かな語りが入ることで、全体がリラックスした雰囲気になりました。
先生のお話やエピソードはシンプルなのに、大切なところをしっかり押さえているので、説得力があり印象に残りました。

・グループワークによって、思考の道筋や着目点は人により違うのだ、ということを実感として学びました。理論をまとめる過程は、いやがおうでも自分の考えが直されることでもあり、自分の思い込みに縛られる危険性を体験しました。

・何らかの力関係が生じるのは、グループの面白さでもあるのですが、先生が自然にグループに加わって、配慮しながらアドバイスしてくださったことで、ないとは言い切れなかった理論の統合における、ちょっとした偏りが修正され、作業がはかどりました。

[ M1 ]・関心専門領域[ 臨床心理 ]


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4日間、本当に濃厚な充実した日々を過ごさせて頂きました。研究をあまり手掛けておられない方の感想同様かと思いますが、私も気後れしながらの参加でした。ですが、何とかついていかれましたのは、“立場の原則対等性”や“協調性”と先生からも配慮してくださいましたワークショップの雰囲気づくりが、そのまま、みなさんの姿勢につながっていたことにあると思います。

とても、暖かい雰囲気で、あまり委縮することなくのびやかに参加させて頂けました。先生や一緒にグループワークをさせて頂きましたみなさまに感謝しています。

私は、ワークショップの流れに沿って、まだ経験していない研究の過程を体験させてもらったという状態でした。何となくですが、これから自分がしようとすることの先が見えてきたように思います。グループワークの前後に、先生がレジュメを用いながらお話しくださったので、これからすること、したことの振り返りができ、非常に助かりました。

このように、すべての過程が初体験のような私でしたので、常に“考える”という作業に悩まされました。まだまだ“考える”ということから訓練が必要だなあと思いました。特に学ばせて頂いたと思いますことに「構造化する過程の開示」という作業体験があります。先生のお話を聞きながらも、なかなか自分の思考過程を振り返ることができず、意識しながら身につけなければと思いました。さらに後半は、頭がカチコチで殆どついていかれなかった状態でした。
ですが、発表の際に、受講者の方から「そうだなあと思う。」「勇気がもてた。」・・?(緊張のあまり、具体的な意見内容を覚えていられませんでした。)のような、先生が言われた、研究の結果に対する“了解”“共感”を頂けたと感じられたことが嬉しかったです。

私たちが取り組みましたテーマは、グループのみなさんも抱えている研究への取り組み姿勢を見直す機会になったように思われました。ですので、一緒に作業をしながら、話される体験や思いが、私にとっては貴重な学びとさせて頂けました。インタビューや、発表さえも初体験に近い状態でしたので、本当にグループ員の方々に暖かく見守られての貴重な体験の場であったと振り返ります。先生、みなさま、本当にありがとうございました。

[ 大学院生 ]・関心専門領域[ 在宅看護 ]


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〈全体の雰囲気〉 
院生を中心としたワークショップなのかと思っていたのですが、偉い先生も沢山参加されており、最初はとても緊張しました。しかし、参加者は基本的に対等であるという、先生の基本方針によって、偉い先生に対しても自由に発言できる雰囲気となり、非常に楽しい時間を過ごすことができ、1日があっという間に過ぎるという感じでした。

〈ワークショップの形式や内容〉 
形式は、集中しながら研究法を身につけるのに、ちょうどよいものだったと思います。内容についても、SCQRMのエッセンスを凝縮したもので、ポイントが絞られており大変分かりやすかったです。

〈参加者〉 
ワークショップという形式の良さが生かされるかどうかは、参加者にかかっている部分もありますが、適当に決められたとは思えないバランスの良さで班が作られていたように思います。班のメンバーに出会え、先輩方のお話を聞く事ができたのは大きな収穫でした。若輩者にも率直にお話してくださる先輩方にあらためてすごい方たちだと実感しました。飲み会では他の班の方たちともお話をすることができ楽しい時間を過ごすことができました。また、大変刺激も受けました。

〈講師の教え方〉 
全体を見ていないようで、よく見ておられるという印象でした。また、例を豊富に入れて話してくださるので説明も大変分かりやすかったです。声の大きさで人に話を聞かせると言うよりも、先生の研究法を探求する姿勢で人に話を聞かせるという教え方のように思いました。理論作りや考察でのアドバイスでは、まさに職人技を目の当たりにしました。

〈特に学べてよかったこと〉 
これまで、質的研究について、研究法の本については流し読みする程度で、実際に書かれた論文を参考にしながら勉強してきました。(研究法の本は、本によって違うやり方が載っていることが多く、そもそもどれが信頼できる本なのか、わからなかったのです。

先生の本は考え方の原理が論文作成の手順を踏んで分かりやすく書かれているので、これが知りたかった!と思うことも少なくありませんでした)しかし、理論を作るプロセスについては、まさに職人技としか思えない部分もあり、これはこの先生だからできることなのでは、と思うこともしばしばでした。

今回は、その職人技を言語化していただいたことがとても良かったと思います。自己流のやり方で研究をしていただのですが、自分がこれまで行ってきたことに、すべて名前とその理由をいただいたようで、まさに腑に落ちる感覚を味わいました。

理論を作る際に直感的に良いだろうと思ってやっていたものの、うまく説明できなかったことをすべて言語化していただき、なんとなく理解して使っていたツールを、きちんと説明でき、使えるツールにしていただいたような気がします。学生への指導でも、より分かりやすい説明ができるような気がしました。

[ 短大講師 ]・関心専門領域[ 異文化間心理 ]


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 日本語教育の分野でも質的研究の重要性が指摘されるようになってきましたが、まだまだコンセンサスが得られているとは言えません。そんな中、比較的、研究が進んでいる医療や看護を専門にする方々と共に質的研究について議論できたことは、とても刺激になりました。 また、ワークショップ全体のデザインの仕方もとても参考になりました。

[博士後期課程 助手]・関心専門領域[日本語教育 ]

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